タントラについて

タントラとは、意識を超えていく技法、意識を拡大する技法です。一般的には性エネルギーを生エネルギーに変換する技法として知られています。タントラの理解のためのお薦めの文献は、インドの覚者OSHOの書籍です。著書の中からタントラについて語っているところを抜粋していきます。タントラ理解のための一助としていただければ幸いです。

【出典:『タントラ秘法の書』全10巻(市民出版社)より抜粋】

・タントラにおいては、全ては神聖だ。

・タントラは言う。自分のあるがまま全てを受け入れなさい。そして、深い感性と覚醒と、愛と、理解とを持ってあらゆるエネルギーとともに歩むのだ。どんな欲望でも乗り物となり、その欲望自体を超越することができる。どんなエネルギーも助けになる。

・闘ってはいけない。自分に与えられたすべてのエネルギーと親しみ、それを歓迎しなさい。自分に怒りがあることを感謝し、自分にセックスがあることを感謝し、自分に欲があることを感謝しなさい。それらは秘された源泉だ。それを変容するといい。それを開くといい。セックスが変容されると、それは愛となる。その毒、その醜さはもはやなくなる。

・タントラでは、分割することは不純であり、非分割の中に生きることは純粋だ。だからタントラでいう純粋とは、無垢のこと・・・非差別的な無垢のことだ。

・受け容れ、深く入り込み、根幹そのものにまで達する。それがタントラだ。タントラにとって重要なのは、深い体験だ。なんであれ体験したものは超越できる。抑圧したものは、決して超越できない。

・欲であろうが、怒りであろうが、憎しみであろうが、セックスであろうが、自分が何かを敵として定めたら、その敵として定める姿勢そのものがそれを敵にしてしまう。敵とする代わりに、神の賜物として受け容れ、感謝に満ちたハートで迎え入れるのだ。例えばタントラは、セックスエネルギーを変容する技法をいろいろ発展させてきた。聖なる寺院を迎えるかのように性行為を迎えなさい。あたかも祈りであるかのように、瞑想であるかのように、性行為を迎えなさい。その神性を感じなさい。

・タントラ曰く、自分のあるがままをすべて受け入れなさい。全面的な受け容れーこれこそが基調だ。そして全面的受け容れによってのみ、あなたは成長できる。その時には、自分の持つエネルギーをすべて使いなさい。どうやって使うのか。自分のエネルギーを受け容れることだ。そうしてよく見極めるのだーそのエネルギーとは何か、セックスとは何か、セックスという現象とは何か。

・タントラは愛の技法だ。だから一番目は、いかに愛するかということだ。そして二番目は、いかに愛の中で成長し、愛を祈りにするかだ。まず愛から始める。愛を恐れてはいけない。

・タントラ曰く、聖なる寺院に入るように性行為を迎えなさい。聖なる寺院に入る時、そこに必ずセックスがある。そうすれば、ふたつのものが結び合いひとつになるということが思い起こされる。そうすればわかるだろうーこの世界と神とは相争うふたつの要素ではなく、ひとつのものだ。そのふたつは矛盾するものではなく、互いに助け合う二つの極だ。

・タントラに関わるものは、生物学的な原子であり、あなただーそれは生きている細胞、生の意識そのものであり、またその内的メカニズムだ。だからこそタントラはセックスに大きな関心を寄せるのだ。生や意識に関心を寄せる人は誰しもセックスに関心を寄せる。セックスとは生の源泉、愛の源泉、意識世界に起こる一切の源泉だ。だからもしセックスに関心を寄せないような探求者がいたとしたら、そういう人は全く探求者とはいえない。

・現在に留まる。そして、ふたつの体の出会い、ふたつの魂の出会いを楽しむ。そして互いの中に溶け込む。互いの中に没入する。「どこかへ行く」などということは忘れる。その瞬間に留まり、どこへも行かず、そして溶ける。温もりや愛といった空気によって、ふたりの人間は、互いの中に溶け合う。

・タントラは、セックスの中に全面的に入れという。自分自身を忘れ去り、また、自分の属する文明や、宗教や、文化や、主義主張といったすべてを忘れ去り、ひたすら性行為の中に入り込む。全面的に入り込む。すべてを注ぎ込み、絶対的に無思考になる。そうして初めて「自分は相手とひとつとなった」という覚醒が起こる。この一如の感覚は、相手から分離できる。そして宇宙全体に対して使える。

・セックスは最も深い束縛であるが、最も高次に対する深く全面的な受け容れだ。こういった類のものはこれしかない。この世の中で、また過ぎ去った時代すべてを通して、タントラは唯一無二のものだ。タントラ曰く、何物も捨て去るな。何物にも敵対するな。どんな葛藤も創り出すな。なぜなら葛藤というものはすべて、自分自身に対して破壊的な作用を及ぼすからだ。

・タントラの力点は、無欲になることではなく、自己実現することにある。そうすれば無欲はついてくる。

・タントラ曰く、誰も変える必要はない。世界も、また自分自身も。これこそ神秘主義の最も深い核心だ。世界を変えることも無いし、自分を変えることも無い。必要なのはただ「すべては変化する」ということを知り、その変化の中に浮かび、くつろぐことだ。

・タントラの教えを手短に言うなら、自分自身への深いくつろぎ、自分自身への全面的なくつろぎだ。

マッサージについてのOSHOの言葉

マッサージとは、

学び始めることは出来るが、

決して学び終えることのないなにかだ。

それは、

何処までも続いていく・・・

経験は深まり、高まり続けていく。

それは、最も繊細なアート・・・

技術の一つだ。

テクニックの成熟度が問題なのではない。

それ以上に愛が問われる。

まず、テクニックを学んでごらん。

学び終えたなら、

テクニックを忘れ去ってしまいなさい。

そして、ただ、感じ、

感じるままに動いてごらん。

マッサージを深く学んでいけば、

その90%のワークは、愛によって為され、

10%は、テクニックによって為される。

ただ触れること、

愛を込めて触れることで、

身体の中の何かがくつろぐ。

その人を 愛し、慈悲を感じるならば・・・

相手の究極の価値を感じるのなら・・・

その人を

正さなくてはならない機械のように

扱うのではなく、

とてつもなく価値のあるエネルギーとして

扱うならば・・・

その人があなたを信頼してくれ、

自身のエネルギーと

戯れるのを許してくれたことに

感謝の念を覚えるならば・・・

あなたは、次第に

オルガンを奏でているかのように

感じられるようになる。

その人の身体全体が

オルガンの鍵盤となり、

その身体の中に

ハーモニーが築かれていくのを

あなたは 感じるだろう。

そして、

その人ばかりが癒されるのではない。

・・・あなたもまた、癒されるのだ。

マッサージは、

この世に必要とされている。

というのも、

この世から

愛が消えてしまったからだ。

かつては、

愛する人が触れるだけで、充分だった。

母親は子供に触れ、その身体と戯れた、

それはマッサージだった。

夫は妻の身体と戯れた、

それはマッサージだった。

それだけで充分以上だった。

そこには、

心からのくつろぎと愛があった。

しかし、こうしたものは

この世から消えてしまった。

次第に、何処に触れたら良いのか、

どう 触れたら、

どのくらいの強さで触れたら良いのか・・・・

人は忘れてしまった。

事実、触れることは

最も忘れられてしまった<言語>の一つだ。

触れることは

ぎこちないものになってしまった。

何故なら、いわゆる宗教家によって、

正にその言葉自体が汚されてしまったからだ。

彼らは、「触れる」という言葉に、

性的な色合いをもたせた。

その言葉は、

性的なものになってしまった。

こうして、人々は

<触れられること>を恐れるようになった。

誰もが、許可することなしに、

誰からも

触れられることのないように注意している。

そして今や、西洋では

これと対極をなすものごとが起きている。

「触れること」やマッサージが

セックスそのものになってしまったのだ。

今やマッサージは、

セックスを覆う単なる表紙、

包みになってしまった。

だが、実際には

「触れること」やマッサージは

性的なものなどではない。

それは愛の機能だ。

愛がその高みから落ちてしまえば、

それはセックスになり、

醜悪なものになってしまう。

だからこそ、

祈りに満ちていなければならないのだ。

人の身体に触れる時には、

あたかも神その人自身が

目の前に 横たわっていて、

あなたは神に仕えているかのように

祈りに満ちていなければならない。

全てのエネルギーと共に流れてごらん。

そして、身体が流れ、漂い、

エネルギーが新たなハーモニーを築くのを

目の当たりにすれば、

今までに感じたこともない程の

喜びが 感じられるだろう・・・

あなたは、深い瞑想の内へ落ちていく。

マッサージをしている時は、

マッサージだけすること。

他のことを考えてはいけない、

それは邪魔になる。

指や手の内に、

あなたの全存在、魂が存在するかのように

「ありなさい」

マッサージを

単なる身体に「触れること」 にしては、駄目だ。

魂の全てが相手の身体の中に入り、貫くことで、

深奥の「もつれ」が 解放されるのだ。

そして、何より

「遊ぶ」ようにして行うことだ。

仕事にしては 駄目だ、

ゲームのように、楽しんでするのだ。

笑ってごらん、

そして相手も笑わせてごらん。

Osho - Hammer On The Rock

2025/01/26